マレーシア最新事情をレポート!ポストコロナに向けた日系医療機器企業にとってのマレーシアヘルスケアビジネスの今後の課題と展望とは?

2021年3月11日

WHOによる「新型コロナウィルス感染症は今やパンデミックであると言える」との見解を示した2020年3月11日から1年が過ぎた。現在も最前線で全力でコロナの対応しているフロントライナーの皆様へ感謝を申し上げたいと思います。

今回は、

  • この1年マレーシアで何が起きたのか?
  • 今後のヘルスケアビジネスはどうなるのか?
  • 日系企業へのマレーシア進出をサポートするサービスをどう変えていくのか?

をレポートしたいと思います。

この1年マレーシアで何が起きたのか?

これまでのマレーシア政府の対応を簡単に振り返ってみると、マレーシア政府はアジアで最初に国境封鎖に踏み切り、3月16日(月)には活動制限令(MCO)が発表され、主要インフラを除いた全てを閉鎖することを決定。3月17日(火)にはロックダウンに備えた、買出し対応などで怒涛の一日であった。3月18日(水)にはマレーシア全土で活動制限令がスタート、州をまたぐ移動禁止、空港への移動には警察署での許可証取得義務付けなど、大混乱のなか始まった。

医療系代理店には病院からのPPEなどの防護服、マスクや手洗い消毒剤の問合せが殺到。一時的にマスクや手洗い消毒剤が入手しにくい状況が続いたが、PPEガウンの国内生産強化やNGOによるPPEガウンの支援、異業種のフェースシールドの生産開始など色々な取り組みをしたようだ。マレーシア中央政府もN95のマスクは当時中央政府が中国から一括調達をして、コロナ対応の基幹病院に配布されたようだ。

最近では第3波により、一日あたりの新規感染者は最高で5千人を超え、クアラルンプール病院、マラヤ大学のICUではICU病棟の使用率が100%に達するなど、医療体制が危機的になり、現在は公立病院だけでなく、私立病院と連携して、万事に備える体制のなか、2月21日にはワクチンの第一便も到着し、接種が開始したものの、医療現場では、綱渡りの状態が続いている状況だ。

今後のヘルスケアビジネスはどうなるのか?

まずは、マレーシアは2021年度のMOHの予算が発表されているが、2020年と比較して、+7.8%増の319億41リンギット(約8,294億円)が確保されている。
特徴的なのは、節約できるところは節約し、病院やクリニックのサポート(人と物)への予算が大幅に増加している。

通常はこの時期になると病院を訪問して、予算を持っている人に見積もりや注文ももらうといった営業活動が活発になるが、日本同様、病院訪問もコロナの関係で、訪問禁止、自粛、また、症例数の減少で購入数量の減少、または、装置関係は新規購入を控えて、修理にまわしたり、コロナ以降事情が変わっているようだ。
現在もPPE等の医療部材の調達は逼迫していることはないようで、各政府系病院では2021年度の購買が始まっているようだ。

コロナの感染リスクがある限りPPEなどの需要は安定して見込まれると考えられるが、この1年でPPEやグローブを製造するメーカーは一気に増加し、競争も激化している。
選択肢がいろいろあるということで、病院側も防護服でもAMMI基準Level4 Gown, 45gsなどのスペックの指定など、ユーザーが商品を選択する基準が厳しくなっている。
需要が増えたものの競合も増えているので、ビジネスはそう簡単ではないのが現状だ。

一方、コロナによる国境封鎖の影響もあり、メディカルツーリズムを利用して、特にインドネシアからの患者受け入れが2019年よりも減少しており、特にペナンやマラッカの私立病院は、心臓カテーテルなどの症例数が大きく減少しているようで、この状況は国境が閉ざされている限りは続くと予想される。

他国同様デジタル化が進んだことで、DoctorOnCallなどの遠隔診療などのサービスや、BookDocなど患者と医師をつなげるプラットフォームのアプリなども登場しており、デジタル分野の今後の動向は見逃せないであろう。

特にこれから海外進出を目指す企業にとっては、医療系の展示会は中止またはオンラインの開催に切り替わり、オンラインビジネスマッチングやビジネス商談会などが開催されていはいるようであるが、オフラインの展示会と比べるとまだ工夫の余地が残されていることもあり、思うような成果に繋がっているかは疑わしい。

ビジネス商談会に参加してみたが、市場でニーズがあるかどうかも知らずに、代理店を探しているケースも多く見受けられ、市場調査をしっかりしていないような印象を受けた。

日系企業へのマレーシア進出をサポートするサービスをどう変えていくのか?

上記状況と今後の見通しを踏まえ、まだ当面は海外への渡航が容易でなさそうなので、現地の情報が入手しにくいなど、海外進出をどうするかお悩みの企業様へのサポートを注力したいと思います。海外の現状がどうなのか?自社製品は海外で売れるのか?どれくらいの可能性はあるのか?一度HMSへ相談してすっきりしませんか?

HMSはこれまで以上に皆様に代わって『市場調査のサポート』と『代理店マッチング』のサポートを強化したいと思います!

もちろん、コロナで厳しい訪問規制などもありますが、これまでのローカルコネクションをフルに活用し、お手伝いさせていただきますので、ご興味がありましたら、下記の問合せよりのご連絡をお待ちしております。


コロナによる規制の一部

  • 活動制限令はマレーシアの感染症予防管理法1988に基づく法令であり、違反者は1000RM 以下の罰金もしくは6ヶ月以下の禁固、またはその両方がかされますので注意が必要です。
  • マスクは仕様により、マレーシア 国内取引・協同組合・消費者省(The Domestic Trade and Consumer Affairs Ministry)にて上限価格が定められています。
  • 現在も事務所などでは出社人数を全体の30%にすることなど制限が続いています。

今、現場がどうなっているか気になる方は
Higashi Medical Solutionsまで一度ご相談下さい!

医療ビジネス進出について相談する

メールアドレスはこちら ⇒ info@hms-malaysia.com


LINEで友だちになる

友だち追加

PAGE TOP